翌日。
どうも気恥ずかしくて、修吾の顔がまともに見られなかった。
あなたに恋をしているのかもしれない、なんて一瞬でも考えてしまったら、恥ずかしくてあたりまえだ。そのことを相手は知らないのだから、なおさらに。
けれど、よりによってその日の時間割は、化学だの美術だの、出席番号で班分けされている科目ばかりで、私と彼は一日中顔をつき合わせているような状態だった。(休み時間にはチサトにつつかれたし、ミキにはちょっと愉しそうに笑われた。人の色恋沙汰に口を挟むんじゃないと思ったけれど、この場合仕方ないのかな。)
私は修吾の方を見ずにすむよう、ひたすらにノートをとっていた。先生の話した言葉は、ひとつも書きもらさないように。ノートに書くことがないときには、落書きめいたものをしてでも。けれども相変わらずに私の耳は、修吾の声をもらさずとらえつづけていた。
「ふうん、テツでも間違うことあるんだな……」
「冗談だよ冗談そんな落ち込まないでくれよっ」
「いやね、俺はお前がほんっとうらやましいよ。数学できるやつって人間じゃないよなあ」
物理の時間は、前の席にいるトオヤマくんにしきりに話しかけている模様。
先生の話を聞いていなきゃいけない授業中にこんな話をしているんだから、そりゃあ成績も伸びないよ。こんなことで非人間呼ばわりされるトオヤマくんは少し不憫だ。修吾も世界史の授業中なんかはわりと真面目で、おしゃべりなんてしないのに。おかげで、私の気がそれることなく、まともに受けられる授業も世界史ひとつ。
「……物理だの化学だのって公式ばっかだよな。実験は好きだけど」
その気持ちはよくわかるけれど、できることならば、声に出さないでいてもらいたかった。気が散るから。
ただでさえ耳にさわる修吾の声だもの。隣で聞いていたら、先生の解説なんて耳にはいってこなくなる。
それでなくとも、今日は昨日以上に、修吾の声が、よく響いているような気がするのだ。
その日の五時間目。
化学教室には、まだ誰も来ていなかった。今日は先生が模範実験をするということだったので、教卓の上を見てみる。ごちゃごちゃと並べられた、用途のよくわからないガラス器具たち。ビーカー、ガラス棒、三角フラスコなんていうのは基本。どうして実験器具というものは、こうも奇妙なかたちのものが多いのだろう。実験がしやすいように考案されたのだろうけれど、やっぱりよくわからなかった。物理もそうだけれど、こんな奇妙なものがたくさん置いてあるから、授業終了後の実験室というものは、決まって知的好奇心を満たすためのワンダーランドに早変わりしてしまうのだ。まあ、化学の場合は危険な薬品も多いので迂闊なことはできないけれど。とりあえず、教卓の隅のほうに転がっていたフラーレンの模型は、ちょっと可愛らしかった。思わずサッカーをはじめたくなるような形状だ。
「やっべー!教科書家に忘れた。まずいな」
ふと、背後から、今日何度も聞いた声がした。
「まあ教科書がなくたって授業受けられないことはないけどさ。でもちょっとまずいよな」
「今日はトウヤのとこもリクのとこも化学ないんだっけか……」
西川修吾、今度は化学の教科書を忘れたらしい。
ずいぶんと不真面目な学生ですこと、心のなかで毒づいてはみたけれど、教科書を忘れる事くらい私にだってある。仕方がない。できることならば今日は彼に関わりたくなかったのだけれど、一応隣の席として、見せてやるしかないだろう。
ちょっと可愛いかんじに原子模型が描かれた表紙。ざらつく手ざわりはお気に入り。今日の単元を開いて、私と修吾が並んだ机の真ん中に置いておく。
その時、ざわめきとともに、クラスメートたちが教室内に入ってきた。始業時刻ちょうど一分前。適度な時間だ。
西川修吾も、そのラッシュと一緒にご入場。ご自慢の声を響かせて。
「野々原、悪いけど……」
「教科書見せてほしいっていうんでしょ? いいよ」
修吾は私のせりふに、かたちの良い目を見開いた。目だけじゃない、口までぽかんと開け放している。私はその表情で、ちょっとだけ優越感をあじわう。
「な、……なんでわかったんだ?」
「あんた、自分で言ってたじゃないの、教科書忘れたって」
「え……?」
このとき一瞬、私は自分がしてしまった失言に気がつかなかった。
「俺……なんか、野々原にそんなこと、言ったか?」
「小耳にはさんだのよ。あんたの声大きいから」
修吾はまずます不可解といった顔になって、さすがの私も心配した。私はなにか、とんでもないことを口走ったのではないか。でも、実際私は修吾の声を聞いて、このことを知ったのだし。
「教科書忘れたって気付いたの、ついさっきなんだよな……野々原はとっくに化学室行ってたし、そもそも、俺、忘れたって口にも出してないんだけどな……」
「嘘っ!」
私は思わず叫んで、慌てて口をおおった。自分の声が、本調子でない頭に響いた。気のせいか、クラス中の視線が、私に集中しているような感じがする。いや、気のせいではないのだろう。教室中に響くような声で叫んでしまったのだから。
「嘘、じゃないんだけどさ。ええと……」
修吾とのあいだに、気まずい沈黙が流れる。だって、一体何をどう言えばいいの。黙りこくってうつむくことしかできない。
沈黙を打ち破るようにチャイムが鳴った。あとは、先生さえくれば授業開始だ。
けれど、今日の私は、これを天の救いなどと思えそうになかった。授業に参加する気になれない。この状況では、ろくにお勉強なんてできないだろうということは、目に見えている。精神的なものなのかどうか、眩暈もする。私はどうにかして笑顔を取りつくろうと、未だ表情をくずさない修吾に言った。
「あ、っと、ごめん。私ちょっと具合悪いみたいだから保健室に行くよ。教科書は見てていいから。机の上にでも置いておいて」
「……気をつけてな」
「うん」
不自然にならないように気をつけて、立ち上がる。体中がこわばっていた。チサトならこれを、好きな子とずっと一緒にいたための緊張だ、なんて解釈するだろうか。
廊下で先生とすれ違って、声をかけられたけれど、無視した。
「野々原さんなら保健室いきましたー」
まわる視界の中、背後の化学室から聞こえた声は、妙にやさしかった。
目頭がほんのりと熱くなった。
保健室のベッドの上で、私は西川修吾の声を聞いていた。
保健室と化学室は、棟が違うのだ。聞こえるはずのない声なのに、それでも私の耳は、修吾の声を聞いていた。
これが幻聴でないという保障はまったくないけれど、けれど、私の感覚は、この声が本当に、現在化学室で、西川修吾の考えていることなのだと告げていた。ちょっとした不思議にであったとき、いつだって先行するのは感覚で、頭はついてゆくこともできない。
「炎色反応、昔やったなあ。覚えられなかったけど」
「野々原大丈夫かな……しかしアイツはまさか超能力者とか。超能力っていうとなんかうそ臭いけど、テレパスっていうとなんとなくありそうな話だよなあ」
「化学の教科書、わかりにくい。モルって結局なんなんだ」
「あと二時間耐えれば放課後だ」
「バスケ好きだけど苦手だなあ。どっちかっていうとまだサッカーのほうが得意」
「あの漫画の続きをシンイチに借りないと」
目を閉じても、耳をふさいでも、頭の中に彼の声が響く。
一音一音がぐるぐると回って、音楽にでもなろうとしているかのように。たわいのない西川修吾の思考だけが流れこんでくる。
恋なんかじゃない。これは、恋なんていう感情では、説明できない。
私は自分の両肩を抱きかかえて、ふるえた。
寝ても覚めても、聞こえるのは、いつも、きみの声ばかり。
めずらしく、朝早く目が覚めた。いや、覚めてしまったというべきか。
今日は確か、男子が体育祭のために朝練を企画していた日。必然的に修吾は早起きをすることになり、私はそれと同時に叩き起こされる。私にとっていま、眠りは唯一と言っていい安息の時間なのに。
ここのところ、西川修吾をめぐる現状は、悪化の一途をたどっている。
とうとう家の中にいても、修吾の声がついてまわるようになった。修吾の家から私の家まで、電車にして約九駅。絶対に聞こえるはずがない距離なのに、なによりも明瞭に。耳の中に小型受信機か何か埋め込まれているんじゃないかと、チサト並みの発想で、耳鼻科に行って検査もしてもらったのに、なんら異常はなかった。耳鼻科よりは神経科あたりに行ったほうが正解だっただろうか。でも、もう外出なんてしたくない。
どこにいても、何をしていても、修吾の声ばかりが聞こえる。このごろでは、修吾の声が大きくなりすぎて、他の人の声がもうほとんど聞こえないのだ。人間一人の思考を、あますことなく聞かされるのは、相当にうるさい。たとえそれが、どれだけ素敵な人間のものであってもね。
風邪だと嘘をついて、学校を休みはじめた私のところに、ミキとチサトがお見舞いに来てくれたことがあった。
けれども、私はその時もずっと、修吾の声を聞いていた。
たったひとり、世界から隔絶されてしまったかのようだった。
友人達は確かに目の前にいるのに、その声を聞くことができない。聞こえているのは、その場にまったく関係のない、一人の少年の声だけで。心配そうな二人の口が、交互に動いているのに、聞こえるセリフは修吾のひとりごとだったり。まるで下手なアフレコを見ているような感じだった。私はずっと、
「来てくれてありがとう」
「心配しないで、だいじょうぶだから」
そんなあたりさわりのない言葉をくりかえしていた。それしかできなかった。
彼女たちが一体、どんな言葉で私をはげましてくれたのか、それを知ることはできなかった。
二人の顔が見られたのは嬉しかったけれど、それだけだった。二人の友人は、私から遠いところにいた。
もう二度と、学校へ行く気なんてしなかった。母親もあきらめたようだった。
私の耳は完全にどうかしてしまって、単一の周波数ばかりを追いかける。
ほかのチャンネルに切り替えるスイッチなどとっくに見失ってしまった。現役男子高校生本音トーク。聴衆はたったひとりだけ。だってあまりにも、くだらない番組で。なのに私は、どうしようもなく、ひとり、イヤホンでその番組を聞いているのだ。
けれど、DJの彼自身も、こんなに孤独なのだろうか。
今日もまた、彼の声を聞いていただけの一日が終わる。
月が出ていた。三日月、するどい先っぽにぶら下がることもできそうな細身。
比較的に暗い三日月でも、弱々しい星の光はかき消されてしまうように見えた。満月の夜は、どうだろう。照明を消した部屋の中に、するりと入りこむ月光。街のあかりにも負けずに。
変化のない一日の終わり。
けれど私は、この時間帯だけは好きだった。午前一時少し前。彼が本格的な眠りにつく直前、その想像力は、とつぜん、花を咲かせはじめる。眠りにとりこまれるまぎわ、理屈と空想とが交錯する場所。一体昼間の彼のどこに、そんな力があったのかと不思議に思ってしまうほど、その世界は多種多様で、毎日私を楽しませてくれる。言葉どおり、夢のような時間だった。
ある日は、水の中、空の夕焼け色が透けて見える世界。双子の竜の冒険譚。
ある日は、真っ赤なリボンの麦わら帽子、持ち主をさがして東西奔走。
ある日は、かなしいくらいに明るいお日様のした、いつまでも遊んでいる子供、日没のない世界の夕暮れ。
ある日は、満開の桜、一面の桜がいっせいに散る、舞いおどる花びらだけで何も見えなくなる。
ある日は、どこまでも続く図書館、たったひとつの本をもとめてさまよいあるく。
ある日は、詩人、うたをうたいながら、どこへでもゆけるひと。
ある日は、進化、生命の川を、さかのぼってゆく光景、けれど未来にゆくことはできない。
ある日は、青空をおよぐ、くらげ雲をかきわけて、ひとでの星をつかまえる。
ある日は、樹の生長を見る、草としかいえない植物が、からみあってふとくなってゆく。
この時間の修吾の言葉は、音楽を連想させる。
本人は無意識に口ずさんでいるのだろうけれども、ここちよいリズムとメロディを持っている。
ひとつひとつの言葉は、重ねあげられて、私をつつみこむようにうねる。うねって、そのまま私を、ゆめへと誘い込む。修吾がこんな言葉を持っていただなんて、私は知らなかった。
西川修吾はほんとうに、なんていうことのない高校生、無個性とまでは言わないけれど、とくに注目すべき点もないような、普通の高校生で、ごく普通の男の子で、なのにどうして。あまりのギャップに、はじめは少し笑ってしまったけれど、夢のせかいには無意識がでるという。西川修吾は、本当はとても、想像力がゆたかなのかもしれない。ちょっと普段からは予想もできない。普段の彼はむしろ莫迦なくらいで、こまやかな感性なんてどこかにおいてきたかのような顔をしているのに。
夢の中とはいえ、こんな音楽を奏でられるのならば、それはひとつの才能だ。
私はひょっとしたら、この音楽を聴きたかったのかもしれない。この音楽をいつまでも聴いていたくて、それで私の耳は、あんなにも修吾の声を求めていたのかもしれない。ふと、そんな気分になる。このときばかりは、私は私の特殊な能力に感謝する。
だから、毎日寝る前には、
「おやすみなさい」
きっと修吾には届かないのだろうけれども、私は、その言葉を口にのせてみたりするのだ。うまくすると、修吾の声と絶妙なハーモニーをかもしだしてくれる。私はその余韻にひたりながら、目を閉じる。
この習慣のおかげで、気がついたことがある。私の声と修吾の声というのは、重ねると非常に合うのだ。
どちらかといえば、高くて甘ったるいと言われる私の声と、低くてにぶった感じの修吾の声は、似合うことなんてないだろうと思っていたのに。意外だった。
ふと思いたち、私は修吾の声にあわせて、適当にメロディをつけて歌ってみた。
もともと歌うことは好きだったけれど、私はいわゆるアニメ声で、音楽の時間などには少しコンプレックスをもっていた。だから、どうしてそんなことを思い立ったのか、自分でもよくわからないけれど、歌ってみた。不思議な感覚だった。
修吾は歌っているわけではない。自分の気の向くままに考えをめぐらしているだけ。
私は、とくに何も考えずに適当な音を、気の向くままに発しているだけ。
それなのにどうしてだろう、二人の声があわさると、何故かちゃんとした音楽になっているのだ。
私がずっと探していた、なのに見つからなかった理想的な音楽に。こんな奇妙なことがあっていいのだろうか、とは少し思ったけれど、西川修吾、彼の声がこうして聞こえていること自体が奇妙なのだ。このうえ一つ二つの不思議がつみかさなったところで、たいした問題ではない。それよりは、今、こうして歌っていること、歌いあげたハーモニーのほうが、よっぽど大切だった。
たゆたう音、全てをつつみこむ調べ。天の高みへとからだが突き上げられているかのような感覚。自分というものがさらわれて、無限にひろがってゆくような。世界のすべてをこの目にできるような。そんな音楽。
おそらく、この世紀の最高傑作も、西川修吾には聞こえていないだろう。自分の声が、こんなにも素晴らしい音楽をつくりあげることを、知らないのだろう。そう考えると、惜しい気持ちはした。けれど、それはしかたのないことだった。
それからは、修吾とともに演奏することが、私の日課になった。
それは、思いのほか楽しい日々だった。
私は、学校のことや、友達のこと、親のこと。うめられない隙間のことを、すべて忘れてうたった。
自分の声でうたうこと、その開放感。私は、修吾の声をただ聴いているだけの存在では、もはや、なかった。私のなかで修吾は、たったひとりのパートナーだった。至上の音楽をつくりあげるための、大切な仲間だった。
けれど、そんな日々が、そう長く続いたわけでもなかった。
異変を感じたのは、やはりうたっている時だった。いつもよりもこころなしか、自分の声が小さいような気がしたのだ。おかげで、いつもなら完璧なはずのハーモニーも、どこかおかしく聞こえた。そのときは、一過性のものだろうと思って気にも止めなかったのに、私の声はどんどんと小さくなり、いや、修吾の声が、今までにもまして大きくなってゆき、やがて、私の声すらも、まったく聞こえなくなった。
自分でいくら声をはりあげてみたところで、何も聞こえない。自分の声というものは、耳が聞こえなくとも骨を伝わって聞こえるという話だったけれど、私にはそれすらもなかった。私の感覚は、骨の隋まで、彼の声にとらわれていた。
「――――― ……………っ!」
自分の声がまったく聞こえない。日に日に小さくなってゆく私の声によって、その覚悟はできていたはずだったのに、それでも、ショックだった。まるで、私の存在すらも、自分で確認できないものとなってしまったかのように。喉を触ってみれば、声帯はたしかにふるえているのに、その声は私には聞こえない。
気が狂ってしまうかと思った。いや、まだ狂っていないといえるのかどうか。
そもそも、たった一人の声だけが聞こえ、ほかの何も聞こえなくなるなどというのは、何かの病気ではないのか。「恋の病ね!」頭の中に思い浮かべる、チサトの声がこんなにも懐かしい。
チサトの声。からりと明るくて、どこにも湿ったところがない。
ミキの声。おだやかでやさしげで、けれど理性的な人柄がにじみ出ている。
ソウジの声。さすがに演劇部だけあって、はりがあって、よく通る。
シンイチの声。男の子にしては少々高めだけれど、聞きやすい。
もう、聞くことはないだろうみんなの声。それに、私の声。私の声は、一体どんな声だった?
大粒の涙が落ちてきた。なのに、この口からもれる泣き声ひとつ、私の耳には届かない。
西川修吾の声は、とうとう私の最後の砦、私自身の声すらも、奪い取っていったのだ。
ああ、せめて、修吾一人の声が聞こえなくなるのだったら。
それならば私はもっと普通の日常が送れたかもしれないのに。自分の声すらも聞こえない。この世界はすべて君ばかり。
私のもとに届く声は君のものばかり。修吾、修吾。
私の言葉が君にどう響いたのかも知ることができない。君の声とかさなった私の声が、一体どんな旋律を持っていたのか、知ることは二度とできない。
せめて君の声だけが聞こえないのならば。どうにか耐えられるかもしれないのに。
たった一人の声くらい聞こえなくたって。修吾、君の声ひとつ聞こえなくたって、きっと私はやっていけるのに。
『だけど、ねえ、本当にそれでいいの?』
(……え?)
瞬間、私の目に、ひとつの恐ろしい情景が映った。とても恐ろしい情景。
「俺? 俺はあんまりそういうの興味ないの」
「えー、だってさ、つまんなくね? 他人のほれたはれたががなんだって言うんだよ」
「なんっ…………うわあああああああ!」
聞こえていた。ずっと聞こえていた声。はじめてあげた、悲鳴。
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