************** 夜更けに雨 **************



青い硝子の瓶を握りしめて
むきだしの床に叩きつけた
鼓膜を引き裂く音がした



青い雹が肌を刺した
蛍光灯に照らされて
青い雹がきらめいた



砕け散った硝子の飛沫とともに
ほら今日もまた一日が終わるよ



青い雹が降り止んで
足元を見た
紫の雨が降っていた
甘いワインが作った水溜りが
ぴしゃぴしゃと音を立てていた



残された瓶の割れ目の
一番すべすべとしたところを
そっと指でなぞってみた
そこもワインで濡れていた
指にかすかに色がついた



指の色を舐めとった
紫色の雨は苦くはなく
ただ甘い味がした
血の色などには似ていない



そして飛び散る甘い雨の中で
今日もまた一日が終わるよ

手元に残った青の欠片を
握りしめたまま倒れこんだ
ほら今日もまた一日が終わる



白いシャツが水溜りを吸い上げて
甘い紫に色を変えた
雹と雨との冷たさに抱かれながら
目を閉じた



明日の朝ななめに差し込む朝日が
手の中の青に反射して
目を突き刺すだろう



ナイフのように鋭利な光に
目覚めた先は海の中
明日の朝は海の中



青く透明な光とともに
ほら今日がまた始まって
そしてまた一日が終わるよ


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